知っていると便利かもしれないMayaの環境変数
2010/12/2
Tag: maya
はじめまして。
齊藤 弘といいます。
よろしくお願いいたします
今回は、知っていると便利かもしれないMayaの環境変数について
紹介したいと思います。
なぜ必要か?
“あのプラグインはどこに置いたっけ?”
“importでファイルが見当たらないエラーが出るんだけど…。”
“プラグイン入れるにも、mayaのプラグインフォルダに辿り着くまで長い…。”
Mayaの環境変数を設定して
起動することで、様々な決め事をあたえることができます。
これらをちゃんと使うことで
- スクリプトやプラグインなどをどこから読込むか?
- 起動時にプロジェクトをどこにセットするか?
- クラッシュしたらどこに情報を出すか?
などルールを決め、
作業を効率的に進めるための一歩が踏み出せます。
共同製作の場合、プラグインやスクリプトなどを
共有している場所1箇所にまとめます。
そうすることで、1箇所を更新するだけで全員が最新版を使う
または新規に追加されたものを使える状態になります。
どこに書くか?
設定はどこに書けば良いのでしょう?
だいたい4つ方法があります。
- maya.envファイルに書き込む
(マイドキュメント\maya\mayaバージョン\maya.env) - 直接、システムやユーザの環境変数に書き込む
(あまり、お勧めできない) - batファイルを書く
- 環境変数を設定し実行するランチャープログラムを書く
と言っても、おおまかには2通りです。
- maya.envに書く
- Maya起動前に環境変数を設定して起動する
envとbatでの書き方の例です。
[ envファイルに書き込む場合 ]
環境変数名1 = パス or 設定値;
// コメント
環境変数名2 = パス or 設定値;
例:
// Share plugin
MAYA_PLUG_IN_PATH=Z:\share\maya\version\plugins;Z:\usr\maya\version\plugins;
[ batファイルの場合 ]
set 環境変数名1=パ ス or 設定値
:: コメント
set 環境変数名2=パ ス or 設定値
注1: “=”前後にスペースがある認識しません。パスにスペースある場合は、” “で囲みます。
注2: コメント方法は、”:: コメント内容” と “rem コメント内容” の2つがあります。
例:
echo Share Plugin
:: Share Plugin
set MAYA_PLUG_IN_PATH=Z:\share\maya\version\plugins;Z:\usr\maya\version\plugins;
起動するmayaのexeパス (“C:\Program Files\Autodesk\Maya2010\bin\maya.exe”など)
知っていると便利かもしれない環境変数一覧
書き方がわかったところで
本題の知っていると便利かも知れない環境変数の一覧です。
パスを複数指定できる場合は、”;”で区切ります。
MAYA_SHELF_PATH
シェルフの場所を指定します。
Shelfに作った自分用カスタムタブなんか
ここに指定して置いておくと便利です。
MAYA_SCRIPT_PATH
スクリプトが置いてある場所を指定します。
MAYA_PLUG_IN_PATH
プラグインが置いてある場所を指定します。
MAYA_PRESET_PATH
プラグインが置いてある場所を指定します。
MAYA_MODULE_PATH
モジュールが置いてある場所を指定します。
XBMLANGPATH
SHELFやスクリプトなどで使用する画像を置いている場所を指定します。
MAYA_PROJECT
起動時に、プロジェクトをどこにセットするかを指定します。
PYTHONPATH
Pythonスクリプトを読込むパスを指定します。
importでプログラムが探す先のパスです。
TEMP
MayaのTemporary Directoryを指定します。
Mayaがクラッシュした場合、指定先に
直前までのmaファイルやレポートが出力されます。
MAYA_UI_LANGUAGE
MayaのUIに使われる言語を変更します。
英語の場合 : set MAYA_UI_LANGUAGE=en_US
日本語の場合: set MAYA_UI_LANGUAGE=ja_JP
MAYA_CMD_FILE_OUTPUT
ウィンドウやMayabatchでのコンソール出力などの
ログを書き込むファイルを指定します。(フォルダではありません)
ex: set MAYA_CMD_FILE_OUTPUT=Z:\Username\maya\version\log\log.txt
MAYA_GEFORCE_SKIP_OVERLAY
ビデオカードにGeoForceを使用している場合、描画がちらついたりと
描画がおかしくなる場合があります。その時はこれを1に設定します。
ex: set MAYA_GEFORCE_SKIP_OVERLAY=1
MAYA_NO_TBB
Intel Threading Building Blocks(TBB)使うかどうか。
Maya2010の問題で、TBBを使用する場合、
たまにクラッシュするという話があります。
そういう場合は、このフラグを立てることで回避されます。
最後に
紹介していないMayaで使える環境変数はまだまだ存在します。
もっと知りたい場合、詳しく知りたい場合、ドキュメントを見てください。
地味なところですが、有効に使って製作しやすい
環境構築に役立てばと思います。
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