株式会社デジタル・フロンティア-Digital Frontier

Header

Main

  • TOP
  • DF TALK
  • ≪セットアップ室≫関節を曲げたときの形について考える 第1回

≪セットアップ室≫関節を曲げたときの形について考える 第1回

2015/4/2

Tag: ,

はじめまして。セットアップ室の小山です。

普段キャラクターのセットアップをしていると「肘曲げたとき丸すぎない?」とか
「腕下ろすと肩が丸くなるなぁ」といったような間接の形に関する指摘を受ける ことがあります。
セットアップはキャラを動すためのコントローラを作るだけでなく関節を曲げたときの変形についても特に気をつける必要があります。
より良い変形をさせる方法としてはスキニングするjointの位置を調整したり、
基本となるjointとは別のjointを作成して変形を補助するといった工夫が必要です。
最終的な画の見栄えにも影響してくる部分なのでなんとか頑張りたいですね。

本稿は関節を曲げたときの形について人体構造をさらっと解説し、よりよい変形を目指すことを目的としています。
ということで「形について考える」に留めてテクニカルな話は触れな い方向でいこうかと考えております。


さて、何の形について考えるかということですが
まずは冒頭でも出てきた「肘」を題材として進めていこうとかと思います。

早速Top Viewで進めていきます。
簡易的な腕モデルとjointを用意しました。
jointは大体中心を通るように配置しています。

スキニングをして曲げて見ましょう

なにやらチューブが曲がった様な形になってしまいました。
肘が丸くなり間接も細くなっているようです。
これを腕に見えるようにするには骨と筋肉が作る形を再現する必要があります。
仮の骨モデルを作成して構造を見てみようと思います。
下図では上腕の骨(赤)肘の骨(青)筋肉(黄)を簡易的に配置しています。

肘を見てみると骨を無視して凹んでいることがわかります。
実際に肘を曲げたときにはこの骨が出てくるため丸くならないようにする必要があります。
また、この骨によって腕の後ろ側の筋肉(黄)も引っ張られるため、その挙動を意識して肘を作るとよいです。
あくまで関節を軸に回っているので尖っているからといって下図のように不必要に飛び出し過ぎないようにしましょう。


続いて腕の内側の形です。肘の裏側の部分です。こちら側の形を作っているのは筋肉です。
下図では簡易的に2本の筋肉で表現していますが実際はもっと複雑です。
とりあえず筋肉が交差している部分が内側を持ち上げているような感覚です。

ここまでを踏まえて変形させてみます。


最初の状態と比較してみます。

凹んでいたところを盛っただけと言えばそれだけですが最初よりは肘っぽく見えるでしょうか?
このような構造は肘に限らずその他の関節でも共通して言えることだと思います。
関節は筋肉が骨を引っ張ることによって曲がるものなので、筋肉が骨のどの部分を結んでいるのかを知っていれば
形を作るときの手がかりになります。
とりあえず肘のような1軸で曲がる関節は、曲げる側の筋肉とそれを元に戻す側の筋肉の二種類に注目すればわかりやすいのではないでしょうか。
だいぶ簡略化したので足りていない部分もありますがご参考になればと思います。

次回があればもう少し肘について書く予定です。今回はTopViewだけになってしまいましたので
他のアングルからの形も見ていけたらと思います。

ではまた。


※免責事項※
本記事内で公開している全ての手法・コードの有用性、安全性について、当方は一切の保証を与えるものではありません。
これらのコードを使用したことによって引き起こる直接的、間接的な損害に対し、当方は一切責任を負うものではありません。
自己責任でご使用ください。


DFセットアップ室では、リギングアーティストを大募集中です。
一緒に魅力的な作品を作っていきましょう!
詳しくは、下記の募集要項をご覧ください。

https://www.dfx.co.jp/careers/designer/rigging-artist.html

肘の骨(青)人体の

コメント

コメントはありません

コメントフォーム

コメントは承認制ですので、即時に反映されません。ご了承ください。

CAPTCHA


 

*