≪エフェクト室≫ DFエフェクトワークフローとMaya,AfterEffectsの便利ツールの紹介
2014/9/1
Tag: AfterEffects,FX,maya
みなさんはじめまして。エフェクト室の小宮ともうします。
今回のDFTalkはこれまでとは少し毛色を変えて、弊社エフェクト作業のワークフローと便利ツールを紹介したいと思います。
学生の方はプロの現場で実際どのようにしてエフェクトが作られていくのかをこの機会に知っていただき、
エフェクト作業に興味を持ってもらえるとうれしいです。
またプロの方は弊社のフローやツールが少しでも実作業の参考になれば幸いです。よろしくお願いします!
エフェクトワークフローの紹介
まずは、弊社のエフェクト作業のワークフローを簡単に説明します。
基本はこのような流れでエフェクト作成を行います。
またアセットに関してはエフェクトライブラリーというものがあり、
これはアセットを簡単に検索、ダウンロードできるようにしたデーターベースで、
社内のスタッフなら誰でもアクセスできます。
例えば簡単なショットワークであれば、エフェクトライブラリーからアセットをダウンロードし、
配置、微調整すれば、新人さんでもサクッと完成させる事ができます。
各々のタスクの詳細な説明は今回は割愛しますが、③と④についてはこの後に解説していきます。
ショットワーク
ショットにあわせてエフェクト作成を実際に行うタスクです。
爆発やら煙、水しぶきなどのエフェクトっぽいものをどんどん作っていきます。
さて、ここでひとつ壁にぶつかります。
弊社はキャラクターや背景は基本はMayaで作成しますが、
エフェクト室ではMaya以外に3dsMax、Houdiniなどを使用してエフェクトを作成していきます。
ですのでソフト間での「コンバート作業」が発生します。
具体的には、
例えばキャラクターがまとっているオーラエフェクトを3dsMaxで作成する場合は、
キャラクターのジオメトリーをMayaから3dsMaxに持っていく必要があります。
一昔前はこれを泣きながらチクチク手動で行なっていましたが今はツールを使用し、ほぼ自動でこれを行なっています。
よい時代ですね…(遠い目
Maya→3dsMaxコンバートツールの紹介
こちらがMaya→3dsMaxコンバートツールです。
処理したいシーンを選択、もしくはDrag&Dropして登録します。
3dsMaxシーンのアウトプット先、髪の毛の有無などを設定できます。
キャッシュタイプはmcc,mcx,abc,sd,xmeshが選択できます。
大量のMayaのシーンを1度に3dsMaxのシーンにコンバート出来ますのでとても楽ですし、ヒューマンエラーもありません。
ポリゴン数の多いキャラクターや背景はコンバートに数時間とかなりの時間を要しますが、
このツールのおかげで帰宅時にシーンを仕込んでおいて、次の日の朝に出社したら勝手に3dsMaxのシーンが出来上がっている、
という夢のような話!(大げさ)
ちなみにスタンドアローン版もありますので、そちらを使用すればわざわざMayaを起動する必要もありません。
エフェクトコンポジットとパブリッシュ
さて、次にAfterEffectsによるコンポジット作業に入ります。
弊社の場合、基本はエフェクトがカッコ良く見えるところまでのコンポジットをエフェクト室内で行います。
そのあとはコンポジット担当に渡してキャラクターや背景と合成し、
エフェクトの色味調整などを行ってファイナルまで持っていきます。
そこでまたひとつ問題が発生します。
「コンポジットデータが汚い…」
社内ルールに準じてAEPファイルを整理しますが、
どんなに注意しても人の手で作業をする以上、どうしても見落としが出てしまい、コンポジット担当者に迷惑をかけていました。
具体的には、
- 使用していないレイヤ、コンポジションが残ってる
- 使用していないエフェクトが残ってる…
- シャイレイヤがONのままとかw
- ガイドレイヤ消してよ!
- フッテージのリンクがきれている…だと…?!
- フォルダ階層が守られていないよ…
- フッテージの命名規則が守られていない!もうイヤー!!
・・・
などなどです。
こんなAEPファイルは受け取りたくありません…。そこでAfterEffects用のパブリッシュツールをつくりました。
AEバブリッシュツールの紹介
このツールでAEP内の整理がちゃんと行われているかの、
「チェック」、「整理の実行」、「コンポジットサーバーへのパブリッシュ」を行えます。
ミスを減らすだけではなく、データー整理、パブリッシュ作業の時間も短縮できます。
ここでちょっと小ネタ!
AfterEffectsで32bitコンポジットを行なう時の注意点
32bitコンポジットの最大のメリットはRGB情報に1以上の値をもてるということです。
これにより例えばコンポジットの際に白く飛んでしまった場合でもあとから階調を維持しつつ調整することができます。
ですがAfterEffectsで32bitコンポジットを行う場合、8bit、16bitエフェクトを使用すると、
確実にRGB情報が1でクランプされてしまうので注意が必要です!
このあたりを気にしてエフェクトコンプを組めば、最終コンポジット担当者もコンポジットしやすくなりますね!
ちなみにどのエフェクトが何bitなのかは、Effects&Presets ウィンドウで確認できますよー。
まとめ
このような感じで弊社エフェクト室ではTD室、開発部の協力のもと、いろんな便利ツールに囲まれながら効率化を図り、
デザイナーが本来の業務に集中できるような環境を整えています。
ですがまだまだ足りないツールがあったりと、完璧な環境ではないので、
更なるツール開発と、同時によりよいパイプラインの整備を今後とも意欲的に行っていきます!
次回予告!
次回のDFTalkでは、弊社開発部が秘密裏に研究開発を進めていた、「DF製流体ソルバー」がついにそのベールを脱ぐ?!
近々公開予定です!お楽しみに!!
エフェクト室の紹介とエフェクターを大募集!
エフェクト室は専業チームとなっており、弊社が抱えるエフェクト作業をすべて受け持っています。
使用ソフトはMaya、3dsMax、Houdini、RealFlow、AfterEffects、Nuke。
高スペックマシンを各デザイナーに配置し、サブマシンとエフェクト室専用のレンダリング&シミュレーションファーム、
キャッシュ用のファイルサーバーを有しています。
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Posted at 2014.09.3 12:01 by デジタル・フロンティア-Digital Frontier | DF TALK | 流体シミュレーションのアップレゾ(高解像度化)について